箱型編集の使い方 (1)

EmEditor の便利な機能の1つは、箱型編集です。箱型編集は、複数行にわたって同じ文字列を入力したいときに便利です。

箱形編集を行う上で、まず最初に気を付ける点として、固定幅フォントを使用することです。プロポーショナル フォントでは、文字によって表示幅が異なるため、意図するように動作しないことがあります。そこで、表示フォントにプロポーショナル フォントを使用している場合は、ツール バーの [フォント] ボタンをクリックし、[表示フォント] の [変更] をクリックして、「MS ゴシック」などの固定幅フォントを選択します。

もう1つの注意点は、行を折り返して表示している場合は、「折り返さない」を選択することを推奨します。折り返して表示している状態で箱型編集を行うと、1論理行で2箇所以上の場所を編集してしまうことがあり、意図しない結果になることがあります。行の折り返し方法は、ツール バーの [折り返さない] ボタンから右に 4 つのボタンで選択します。[折り返さない] ボタンが押されている状態であれば問題ありません。

それでは、箱型編集を行ってみましょう。たとえば、次のような県名データがあったとします。

これらのデータを利用して、次のような配列を作成するとします。

つまり、各行頭にタブと2重引用符 (“) を、各行末に「県”,」と挿入したいとします。

各行頭に文字を挿入するには、まず挿入したい場所を、0 文字の幅で箱型選択します。これを行うには、最初の行の行頭を Alt キーを押しながらマウスの左ボタンを押します。そしてマウスを押したまま最終行までマウスをドラッグしてマウスのボタンから手を離します。すると、次の図のように、最初の行の部分が灰色の直線で描かれます。

この状態で、タブと ” をタイプします。すると、各行の最初に タブと ” を挿入することができます。

次は、最初の行の行末で Alt キーを押しながらマウスの左ボタンを押します。そしてマウスを押したまま最終行までマウスをドラッグしてマウスのボタンから手を離します。行末の場合は、幅があってもかまいません。すると、今度は行末の部分が灰色の直線または長方形で描かれます。

この状態で、「県”,」 を入力すると、各行の最後に 「県”,」 が挿入することができます。

最後に、配列の宣言のためのテキストを前後に追加して、次の配列が書き終わります。

以上で、箱型編集機能を使って、編集を簡単にする方法を見てきました。この程度の編集であれば、箱型編集の機能を使用しなくても、各行で手動で入力することもできますが、これが、数千行、数万行になってくると、箱型編集の機能を使用しないと、正規表現による置換など別の手段を使わなければならないでしょう。

箱型選択を行うには、 Alt キーを押しながらマウスでドラッグする方法を紹介しましたが、キーボードだけで、Ctrl + Shift + F8 を押してから、矢印キーで範囲を選択することもできます。

他にも、箱型選択を使用すると、選択した部分だけで、文字列を置換したり、大文字小文字、全角半角を変換することもできます。ぜひ EmEditor Professional の特長である箱型編集機能を活用して、テキストの編集を効率アップしてください!