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EmEditor v21.3.0 を公開しました (テクニカル レビューを含む)。

本日、EmEditor v21.3.0 を公開いたしました。

この新バージョンは、Professional 版だけでなく、Free 版でも巨大ファイルをサポートできるようになりました。これは、巨大ファイルをサポートする無料テキスト エディターが必要な、特に学生の皆様に、学校やご家庭でお役立っていただけると思います。「巨大ファイルのサポート」は、ファイルの中身をすべてメモリに入れることなく、巨大ファイルを開くことができます。EmEditor は、既定では 300 MB を超える巨大ファイルを、ディスクから直接読み込みます。ファイルの読み込みは、マルチスレッドや SIMD 命令セットを使用して、長い歳月をかけて速度の最適化をし続けました。すなわち、EmEditor Free は、EmEditor Professional と同程度に巨大ファイルを高速で開くことが可能です。EmEditor Free は、巨大ファイルをサポートしますが、巨大ファイル コントローラーは、EmEditor Professional のみで利用可能です。詳しくは、更新された比較表をご覧ください。

v21.3 の主な特長は、数値範囲表現で日付/時刻をサポートしたことです。この機能は、この質問を含め、複数のお客様からリクエストをいただいていました。例えば、サーバーのログやセールス レポートを解析する際など、ある特定の日付/時刻の範囲だけを表示したい場合に、この新機能は役立ちます。正規表現を使用することもできますが、正規表現で日付の範囲を指定しようとすると、しばしば複雑になったり遅くなったりすることがあります。そこで、私は、既存の数値範囲表現に日付の範囲をサポートすることに決めました。この新機能を開発する際、一致させたい日付の形式を自由に選択でき、かつ高速に動作することを目指しました。日付の表現では、2重引用符で囲まれた日付/時刻の形式の指定を可能にしました。

例えば、

[1/1/2021 , 31/1/2021 "d/M/yyyy" ]

は、”5/1/2021″ と一致します。

複数の日付形式をパイプ (「|」) を使用して結合することができます。例えば、

[1/1/2021 , 31/1/2021 "d/M/yyyy|yyyy-MM-dd" ]

は、”5/1/2021″ と “2021-01-05″ の両方に一致しますが、”05/01/2021” や “2021-1-5” には一致しません。

ただし、相反する複数の日付形式を結合して指定することはできません。例えば、

[1/1/2021 , 31/1/2021 "d/M/yyyy|M/d/yyyy" ]

は、不正になります。なぜなら、”5/1/2021″ は、5月1日なのか、1月5日なのか、判断できないためです。

次のように、年月日の間には、ほとんど任意の文字を使用することもできます。

[2021年1月1日 , 2021年1月31日 "yyyy年M月d日" ]

さらに、”MMMM” または “MMM” を指定して、それぞれ “January” または “Jan” に一致させたり、”HH:mm” または “HH:mm:ss” と書いて 24 時間形式の時刻を指定することもできます。

新しい日付範囲の機能は、EmEditor Free と EmEditor Professional の両方で利用可能です。

他の新機能として、ウィンドウを 3 ペインに分割することが可能になりました! この機能は、長い間リクエストされていました。ウィンドウを上下または左右に 3 分割するには、[ウィンドウ] メニューから [左右に分割] または [上下に分割] を 2 回選択します。この新機能は、EmEditor Free と EmEditor Professional の両方で利用可能です。

あるお客様は、EmEditor Professional で CSV セル選択モードで Enter キーを押した時に現在のセルが右に移動するように要望されていました。従来、EmEditor は、Enter キーを押したら、セル ツール バーにフォーカルが設定されるだけでした。新バージョンでは、Enter キーのカスタマイズが可能となり、[次のセル (セル選択モードのみ)] コマンドを含む 4 つの新しいコマンドを利用できるようになりました。これにより、Enter キーを [次のセル (セル選択モードのみ)] コマンドに割り当てることが可能となりました。

あるお客様は、ダイアログ ボックスで使用されるフォント サイズを変更できるようにリクエストされました。フォントの名前を変えるのは簡単ではありませんが、フォントのサイズを変更するのは比較的簡単です。そこで、新バージョンでは、[カスタマイズ] ダイアログ ボックスの [ウィンドウ] ページでフォント サイズを変更することができます。また、中国語でご利用のお客様は、フォント フェイス名の変更をリクエストされました。EmEditor のダイアログ ボックスは MS Shell Dlg を使用しており、これは Windows の各言語に応じて自動的に適当なシステム フォントに置き換わるようになっています。フォントの置換は、レジストリの Computer\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\FontSubstitutes キーで定義されています。問題は、このフォントの置換表が古いことです。簡体字中国語 Windows では、既定では、古い SimSun フォントが使用されていることを知りましたが、これは読み難いものです。Windows システムでは、Microsoft YaHei といったモダンなフォントが使用され、マイクロソフトにより推奨されているにもかかわらず、フォントの置換表は、未だに古いフォントを指しており、現在も更新されていません。マイクロソフトが、レジストリのフォントの置換表の更新をされていないことに疑問を持ちましたが、もしかしたら、古いアプリとの互換性を心配して意図的に更新されていないのかもしれません。いずれにしても、簡体字中国語には Microsoft YaHei を、繁体字中国語には Microsoft JhengHei をハード コードすることに決めました。他の UI 言語については、まだ変更していませんが、次のバージョンのベータ版では他の言語もテストします。日本語には Meiryo UI を、韓国語には Malgun Gothic を、その他の言語には Segoe UI を使用する予定です。まもなくベータ版を公開するので、その際にはお試しになり、新しいダイアログ ボックスをご覧いただき、ご感想をお知らせいただけると幸いです。

Windows 11 の最近の更新には、私が以前に言及したバグの修正が含まれていました。Windows 11 上で EmEditor を充分にテストしましたが、非常に暗いモードでプラグイン ダイアログ ボックスの一部が綺麗に表示されない問題以外には、特に問題は発生しませんでした。現時点、マイクロソフトは、デスクトップ アプリがダーク モードに対応するための Windows API の仕様を、まだ公開されておらず、私も対応を模索しています。EmEditor の [非常に暗い] オプションを使用しなければ、Windows 11 上の EmEditor について互換性の問題はありません。

最後に、Pro版、Free版とも お気に入りいただけましたら幸いです。何か将来、ご質問、機能のリクエスト、アイディアなどがございましたら、ご連絡いただくか、フォーラムに発言してください。また、[ヘルプ] メニューの [レビューを書く] を選択して、レビューを書いていただくことも歓迎いたします。私は皆様のレビューを定期的に拝読しています。(レビューをご記入いただく前にストア アプリ版をダウンロードする必要があるかもしれません。)

今後も EmEditor を引き続きご愛顧くださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
— 江村豊

主な変更点、画面図など、詳しくは、「Version 21.3 の新機能」をご覧ください。

さらに本リリースは、次の不具合/問題の修正を含みます。

  • CSV モードで表示上の問題を修正しました。
  • #async = “off” が空白を含んでいないと正しく動作しない v21.2 以前からの不具合を修正しました。
  • 非同期マクロ エラーの後の不具合の可能性を修正しました。
  • プロポーショナル フォントで、広い文字の右端をクリックすると、その次の狭い文字の右側にカーソルが位置してしまう不具合を修正しました。
  • [終了したら閉じる] オプションがオフでも [ファイルから検索] の後、キーボード フォーカスがメイン ウィンドウに移動してしまう不具合を修正しました。
  • Windows 7 で既定で DirectWrite がオフにならなかった不具合を修正しました。
  • 特定の条件で、[列を移動/コピー] コマンドが正しく動作しないことがある v21.2 以前からの不具合を修正しました。
  • CSV 文書のヘディング以外の列を選択して、検索ダイアログ ボックスの [すべて選択] ボタンをクリックすると、ヘディング内も検索してしまうことがある v21.2 以前からの不具合を修正しました。
  • お客様から報告された不具合を修正しました (1)。

デスクトップ インストーラー版をお使いの場合、[ヘルプ] メニューの [更新のチェック] を選択して更新していただけます。この方法で更新できない場合には、最新版をダウンロードして、そのダウンロードしたインストーラーを実行してください。デスクトップ ポータブル版の場合、こちらよりダウンロードして、更新していただけます。ストア アプリ版の場合、数日後、Microsoft ストア (64ビット または 32ビット) よりダウンロードまたは更新していただけます。winget を使用されている場合は、”winget install emeditor” とタイプして最新版の EmEditor のインストールが可能です (64ビットか32ビットは自動検出されます)。

EmEditor v21.2.0 を公開しました (テクニカル レビューを含む)。

本日、EmEditor v21.2.0 を公開いたしました。

以前、あるお客様より、メジャー リリースの際にテクニカル レビューを書いてはどうかと、貴重なご意見をいただいたことがあり、それは良いアイディアだと思いました。すべての新機能の裏には、お客様とのやり取りなど多くの理由が存在しています。形式的なリリース ノートには適さないこれらの「裏舞台」の話を、これから皆様と共有したいと思います。

最初に、新バージョン (v21.2) は、EmEditor Free (Free版) に多くの新機能が追加され、多くの方々に喜んでいただけるのではないかと思います。以前は、どちらかというと購入していただいたお客様のための製品 (Pro版) の更新に集中していました。しかし、より多くの無料テキスト エディターが利用可能になってきた昨今、EmEditor を他の無料テキスト エディターの代わりとしてお使いいただきたいと思いました。Free版で利用できる機能が少ないために、あまり良くない評価を書かれるユーザーの方もいらっしゃいます。v21.2 の Free版の新機能には、ブックマーク、マーカー、ファイルの比較 (既定オプションのみ)、スペル チェック、連番の挿入、全画面表示、ワークスペース、マクロ (記録と実行のみ、スクリプトはサポートしていません)、アウトライン、スタート ウィンドウ、設定のプロパティの多くのオプションが含まれます。以前は、Pro版から Free版へのダウングレードの方法が複雑だとのご指摘を受けました。最近のバージョンでは、[ヘルプ] メニューに [ダウングレード]、[アップグレード] コマンドが存在しますが、既定は Pro版でした。v21.2 では、既定がなくなります。v21.2 では、インストール後に初めて EmEditor を起動時、EmEditor Professional として、または EmEditor Free として使用するかを選択するダイアログ ボックスを表示され、最初から Free版として使用できるようになり、[ダウングレード] コマンドを探す必要が無くなりました。

次に、v21.2 には [ステップの繰り返し] 機能を追加しました。当初、このアイディアは、パンデミックの前に東京で窓の杜の編集部の方々との非公式な打ち合わせの際に出てきたものです。編集部の方は、AIを使ってEmEditorの次の動作を検出できないかと提案されました。私は、EmEditor でアプリを重くするだけの大きなバックグラウンド タスクは作りたくないと思いました (Officeアシスタントの「クリッパー」を覚えていますか?)。しかし、繰り返しのタスクはもっと簡単に単純化できると良いと思いました。テキスト エディターで繰り返しのタスクがあると、経験のあるユーザーであれば、それをマクロとして保存し、そのマクロを繰り返し実行するでしょう。しかし、最初は、それをマクロとして記録しないで、それらのステップをただ試してみたいのも事実です。マクロとしてステップを記録しようと思った頃には、既に全体の半分ほどが終わっていて、そのまま何も考えずに繰り返しを終えてしまいたくなるものです。このような時に新しい [ステップの繰り返し] 機能が便利になります。通常、あるタスクを 3回以上 (将来、調整される可能性あり) 繰り返すと、[繰り返し回数を入力] ハイパーリンクの付いた通知ヒントを表示するようになりました。そのハイパーリンクをクリックすると、[繰り返し] ダイアログ ボックスが表示され、繰り返す回数を指定して、指定されたステップを繰り返すことができます。通知ヒントを待たなくても、[編集] メニューから [ステップの繰り返し] を選択して、[繰り返し] ダイアログ ボックスを表示することもできます。基本的に、v21.2 はマクロの記録開始コマンドが選択されたかどうかにかかわらず、永久にマクロを記録し続け、最近のステップを繰り返したくなったら、マクロの再生開始位置を選ぶだけなのです。

私が思い付いたもう1つの便利な機能は、[キーボード ショートカットの割り当て] コマンドです。このコマンドは、ほとんどのメニュー項目またはツール バーのボタン上で右クリックすると表示されるメニューから選択することができ、[すべての設定のプロパティ] の [キーボード] ページを開き、右クリックされたコマンドをあらかじめ選択します。v21.2 より、[すべての設定] がキーボード マップの既定の設定となりました。以前は、EmEditor は、現在の設定のみでも、すべての設定でもキーボードのショートカットを割り当てることが可能で、少しややこしかったものです。多くのユーザーは、特定の設定のみにキーボード ショートカットを割り当てたいとは思わないため、「すべての設定」をキーボードの割り当ての既定にしたいと思ったのです。

あるお客様から、EmEditor は、西ヨーロッパ言語の HTML ファイルで、「“」(0x93, U+201C) と「”」(0x94, U+201D)文字を正しく表示しないと指摘されました。その HTML ファイルには、「charset=iso-8859-1」というタグが使われていました。お客様は、既に、これは ISO-8859-1 エンコードと、そのスーパーセットの Windows-1252 エンコードの違いによるものだということはご存じでした。事実、「“」と「”」文字は、ISO-8859-1 エンコードでは定義されておらず、Windows-1252 でのみ定義されています。実際、多くの西ヨーロッパ言語の HTML ファイルは、しばしば「iso-8859-1」と誤ってラベルが付けられていますが、本当は「windows-1252」と付けられるべきです。WHATWG community Living Standard によると、HTML5 はこれらの HTML ファイルを Windows-1252 として解釈するとしており、EmEditor v21.2 でも [HTML/XMLのCharsetを検出] がオンの場合は、そのように解釈します。

他にも v21.2 の開発にあたり多くの共有したい話題があるのですが、最後に、EmEditor 起動時、自動コピー機能が有効の場合に表示される通知バルーン チップの紹介をもって、このブログを終わりたいと思います。時々、お客様より、コピー アンド ペーストがうまくいかないというご指摘をいただくのですが、多くの場合、自動コピー機能がお客様の気付かないうちにオンになっているか、オフにするのを忘れたために起こります。そこで、新しい通知ヒントにより、自動コピー機能がオンだということが気付きやすくなります。

OS を Windows 11 に更新しようかどうか迷っている方も多いと思います。私は、通常、Redmond にある近所の Microsoft を信頼しているのですが、今回は、わかりません。あるお客様は、Windows 11 のこの特定のバグに関連する不具合を報告しています。EmEditor は設定やファイルの種類の名前に非ASCII文字を使用することが可能で、それらの名前はレジストリのキーになります。Windows 11 が安定になるまで、しばらく待つことをおすすめします。

最後に、Pro版でも Free版でも、皆様に EmEditor が気に入っていただけていることを心より願っています。何か将来、ご質問、機能のリクエスト、アイディアなどがございましたら、ご連絡いただくか、フォーラムに発言してください。また、レビューを書いていただくことも歓迎いたします。私は定期的に皆様のレビューを拝読しています。レビューを書く前にストア アプリ版をダウンロードする必要があるかもしれません。

今後も EmEditor を引き続きご愛顧くださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
— 江村豊

主な変更点、画面図など、詳しくは、「Version 21.2 の新機能」をご覧ください。

さらに本リリースは、次の不具合/問題の修正を含みます。

  • 仮想コンピューターなど特定のコンピューターで巨大ファイルを開く時に異常終了する可能性がある不具合を修正しました。
  • ひらがな/カタカナのみの title タグでエラーを表示してしまう CSS/HTML Validator の不具合を修正しました。

デスクトップ インストーラー版をお使いの場合、[ヘルプ] メニューの [更新のチェック] を選択して更新していただけます。この方法で更新できない場合には、最新版をダウンロードして、そのダウンロードしたインストーラーを実行してください。デスクトップ ポータブル版の場合、こちらよりダウンロードして、更新していただけます。ストア アプリ版の場合、数日後、Microsoft ストア (64ビット または 32ビット) よりダウンロードまたは更新していただけます。winget を使用されている場合は、”winget install emeditor” とタイプして最新版の EmEditor をインストールしていただけます (64ビットか32ビットは自動検出されます)。