EmEditor v21.5.0 を公開しました (テクニカル レビューを含む)。

本日、EmEditor v21.5.0 を公開いたしました。

Unicode を使用することの一番大きな利点は、文書内に任意の文字を含めることができることです。欠点は、ユーザーにとっては不要な文字も含めることができてしまうことです。それらの不要な文字には、U+200B (ZERO WIDTH SPACE) という非表示文字 (目に見えない文字) や U+0081 といった制御文字が含まれます。次のテキストをコピーしてメモ帳や他のテキスト エディターに貼り付けてみてください。

"​" 非表示文字 (U+200B)
"" 制御文字 (U+0081)

これらの文字は、メモ帳や他の多くのテキスト エディターで非表示になる (目に見えない) ため、意図せずに使用されると、セキュリティ上の問題になることがあります。非表示文字を含む信頼できないソース コードには、隠れたバックドアが含まれている可能性があります。StackOverflow などの共有サイトからソース コードをコピーして、テキスト エディターに貼り付ける場合、そのソース コードにそのような不要な文字が含まれていないかどうか確認する必要があります。他の例としては、ユーザーが入力したテキストを含むデータ ファイルを編集している場合があります。ユーザーは任意のテキスト データを入力できてしまうため、テキストには非表示文字や制御文字が含まれている可能性があり、解析する前にデータをクリーン アップする必要があるかもしれません。もしテキスト エディターがそれらの文字を表示できなければ、それらの文字を見つけることは容易ではありません。

v21.5 のメインの新機能は、このような場合に役に立ちます。v21.5 では、これらの非表示文字や制御文字を可視化することが可能です。この機能を既定の設定で使用することもできますが、どの文字を警告するか、またはどの文字を許可するかをカスタマイズすることも可能です。もしある特定の種類の文字 (例えば、英数字と特定の記号など) のみを使用するデータ ファイルを編集する場合、それらの文字を許可する文字として定義すると良いでしょう。EmEditor では、特定の文字範囲のみを警告することもできますし、特定の文字範囲のみを許可することもできます。さらに、文書の保存時に自動的にそれらの不要な文字がないかどうかを EmEditor にチェックをさせることも可能です。この機能は、EmEditor Professional と EmEditor Free の両方でサポートされています。

他の v21.5 の新機能は EditorConfig のサポートです。チームとして仕事をしていて、チームのメンバーが異なるテキスト エディターを使用している場合、チームは .editorconfig ファイルを作成して、インデント スタイル、改行文字、ファイルのエンコードなどを定義することができます。v21.5 は EditorConfig の仕様に準拠しているため、.editorconfig ファイルで設定されていれば、チームのプロジェクトの設定に準拠するために、EmEditor のオプションを手で変更する必要がなくなります。

例えば、あなたのチームが改行コードに LF を使用してインデントのサイズを 4 に指定する場合、次の行を含む .editorconfig ファイルを同じ (またはペアレント) フォルダに作成することができます。

[*.txt]
end_of_line = lf
indent_size = 4

EmEditor v21.5 を含む EditorConfig をサポートするすべてのテキスト エディターは、このファイルを見つけて、指定したファイルの種類に対して、それらの前述したオプションを自動的に設定します。

この機能は、チームとして仕事をしていない場合でも役に立つことがあります。例えば、「a.txt」 と 「b.txt」は行の折り返し無しで表示したいけど、それ以外のファイルは行を折り返して表示したい場合、次の行を含む .editorconfig ファイルを作成します。

[{a,b}.txt]
max_line_length = off

このテクニックにより、EditorConfig でサポートされた単純なオプションだけのために EmEditor で新しい設定を作成する必要が無くなります。

このコードは、速度で最適化しましたが、EditorConfig のサポートは、特に遅いドライブやネットワークからファイルをオープンする場合に遅くなる可能性があります。その場合、EmEditor Professional では、[カスタマイズ] ダイアログ ボックスの [編集] ページで [.editorconfig を使用する] オプションをクリアすることにより、この機能を無効にすることができます。EditorConfig の機能は、EmEditor Professional と EmEditor Free の両方でサポートされていますが、[.editorconfig を使用する] オプションは EmEditor Professional でのみ利用可能です (EmEditor Free ではこの機能は常に有効になります)。

EditorConfig の insert_final_newline プロパティをサポートしたため、[各ファイルの最後に改行コードが存在することを確認する] オプションを [保存時の詳細] ダイアログ ボックスに追加しました。この機能は、EmEditor Professional と EmEditor Free の両方でサポートされています。

あるお客様は、ステータス バーに表示される、選択された数字の [合計] の数字をマクロに利用できないか質問されました。そこで、Selection オブジェクトに Sum プロパティと Average プロパティを追加し、それらの数字を使用できるようにしました。これらのプロパティの方が速く動作するため、付属する Sum.jsee マクロは、この Sum プロパティを使用するように書き換えました。この機能は EmEditor Professional でのみ利用可能です。

最後に、Pro版、Free版とも お気に入りいただけましたら幸いです。将来、ご質問、機能のリクエスト、アイディアなどがございましたら、ご連絡いただくか、フォーラムに発言してください。また、[ヘルプ] メニューの [レビューを書く] を選択して、レビューを書いていただくことも歓迎いたします。私は皆様のレビューを定期的に拝読しています。(レビューをご記入いただく前にストア アプリ版をダウンロードする必要があるかもしれません。)

今後も EmEditor を引き続きご愛顧くださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
— 江村豊

主な変更点、画面図など、詳しくは、「Version 21.5 の新機能」をご覧ください。

さらに本リリースは、次の不具合/問題の修正を含みます。

  • 特定の条件下で非常に長いパスが存在する場合に、[ファイルから検索] コマンドが正しくファイルを検索しないことがある v21.4 以前からの不具合を修正しました。
  • [頻出文字列を数える] オプションが設定されている場合、大文字小文字を区別しない検索が正しく動作しないことがある v21.4 以前からの不具合を修正しました。
  • [グループのすべての文書から検索] オプションが設定されている場合の正規表現を使用する検索が正しく動作しないことがある v21.4.1 の不具合を修正しました。
  • ウィンドウを上下に分割している場合に水平スクロール バーの問題を修正しました。
  • 上にスクロールしながらマウスで選択に関する v21.4 以前からの不具合を修正しました。
  • ツール バーで右クリックした時に異常終了する可能性があった不具合を修正しました。
  • お客様から報告された不具合を修正しました (1, 2)。

デスクトップ インストーラー版をお使いの場合、[ヘルプ] メニューの [更新のチェック] を選択して更新していただけます。この方法で更新できない場合には、最新版をダウンロードして、そのダウンロードしたインストーラーを実行してください。デスクトップ ポータブル版の場合、こちらよりダウンロードして、更新していただけます。ストア アプリ版の場合、数日後、Microsoft ストア (64ビット または 32ビット) よりダウンロードまたは更新していただけます。winget を使用されている場合は、”winget install emeditor” とタイプして最新版の EmEditor のインストールが可能です (64ビットか32ビットは自動検出されます)。