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EmEditor v24.5.0 を公開 – 巨大ファイルを開く際の不具合のご報告、ファイル検証機能追加など

本日、EmEditor v24.5.0 を公開しました。すべてのお客様に、この新バージョンへの更新を強く推奨いたします。

EmEditor を使用されるお客様には、巨大ファイルを日常的に編集するのに使用される方が多いと思います。したがって、巨大ファイルのオープン、編集、保存などの動作には不具合があってはならないのですが、残念ながら、v22.4.0 から v24.4.1 までのバージョンでは、特定のハード ディスクから巨大ファイルを読み込む際、最初に開くときには問題なくても、2回目以降に開くときにサイズが大きくなる可能性がありました。これは、フォーラムであるお客様よりいただいた報告であり、このお客様のご報告に感謝しておりますと同時に、皆様にはご迷惑をお掛けして申し訳ありません。SSD など速いハード ディスクでは問題はありませんが、ディスク キャッシュが有効の遅いハード ドライブで巨大ファイル (約 300MB 以上のファイル) を開くと、EmEditor が重複行を読み込む可能性がある不具合がありました。この問題は、v24.4.2 で修正されましたが、v24.5 では、さらにファイル サイズに内部的不整合がある場合にメッセージを表示するなどして、このような未知の問題にも対応する防止策を加えました。したがって、すべてのお客様に、v24.5 への更新を強く推奨いたします。

さらに、v24.5 では、新機能として [ファイル] メニューに [検証] コマンドを追加しました。ファイルを開いた直後にこのコマンドを選択すると、現在の文書を一時ファイルとして保存し、そのサイズと SHA256 ハッシュ値を元のファイルと比較することができます。

[検証] コマンドを使うと最初に表示されるダイアログ

その結果は [ファイル検証の結果] ダイアログ ボックスに表示され、サイズと SHA256 ハッシュ値をコピーすることもできます。通常は、元のファイルと保存された一時ファイルは同一になるはずで、サイズとハッシュ値は一致するはずです。しかし、元のファイルに NULL 文字や Unicode に変換できない不正な文字が含まれている場合、あるいはハード ディスクまたはメモリーにエラーが発生した場合に、2個のファイルが一致しない可能性があります。重要なファイルを編集される場合には、ファイルを開いた直後に、この [検証] コマンドを実行して問題がないことを確認してください。

検証の結果ダイアログでは、元のファイルと保存した一時ファイルのファイル サイズと SHA256 ハッシュ値を表示します。

さらに、[カスタマイズ] ダイアログ ボックスの [ファイル] ページには、ファイルを読み込むたびに自動的に検証を行うオプションも追加しました。

[カスタマイズ] ダイアログ ボックスの [[ファイル] ページに [開いた直後にファイルを検証する] と [失敗があった場合のみ検証結果を表示する] チェック ボックスを追加しました。

新バージョン (v24.5) には、他にも多くの機能が追加されており、その多くはユーザーの皆様のご要望によるものです。

巨大ファイルを開く場合、ファイル全体を開くのではなく、より小さなサイズのみ開いて、その表示枠を前後に移動できると便利なことがあります。これは、あるお客様よりいただいたご要望になります。v24.5 では、[<<] および [>>] ボタンが巨大ファイル コントローラーに追加されました。これらのボタンをクリックすると、指定されたサイズを超えない範囲で、ファイルを開く位置を前後のセクションに移動できるようになりました。

[<<] および [>>] ボタンが巨大ファイル コントローラーに追加されました。

一方、v24.1 からの新機能である OpenAI API を使用した AI 執筆支援機能には、さらにオプションを追加して強化しました。従来は、テキストをタイプ中に自動的に提案テキストを灰色で表示していましたが、新バージョンでは、Ctrl+Space を押したときのみ提案テキストを表示できるようになり、OpenAI API を呼び出す回数を減らすことができるようになりました。従来のように自動的に提案を表示する場合は、AI の提案の信頼度があるしきい値を超えた場合にのみ提案を表示しますが、そのしきい値を調整することができるようになりました。例えば、信頼度を 40% と指定している場合、AI は 40% 以上の予測確率で次のテキストを予測できる場合のみ、提案を表示します。このため、確実でない予測での提案を減らしたい場合には、80% などと高い信頼度にすれば、より確実に予測できる場合のみ提案が表示され、OpenAI API を呼び出す回数を減らすことができます。また、予測に使用する入力テキストと候補提案用の出力テキストの長さを調整するオプションも追加しました。予測に使用する入力テキストは、長いほど予測の命中度を高めることができますが、OpenAI API の使用料は高くなります。出力テキストの長さは長いほど、より多くの単語が提案されることになります。

[設定のプロパティ] ダイアログ ボックスに、[[AI支援] ページを追加しました。

さらに、あるお客様のご要望にお応えし、[AIとチャット] ウィンドウで貼り付け時にすぐに送信しないようになりました。

プレビュー版の開発時に発見された不具合も修正されています。

最後に、EmEditor の製品登録の際のアクティベーションには、インターネットへの接続が必要になりますが、インターネット接続にプロキシが必要なところもあります。新バージョンでは、製品登録のダイアログに、[プロキシ設定] リンクを追加し、それをクリックすると、プロキシの設定ができるようになりました。デスクトップ インストーラーはコマンド ライン インストールのための PROXY オプションを追加しました。

Pro版、Free版ともにご満足いただければ幸いです。ご質問、機能のリクエスト、アイデアなどがございましたら、ご連絡いただくか、フォーラムにご発言ください。

今後もEmEditorを引き続きご愛顧くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
— 江村豊

主な変更点、画面図など、詳しくは、「Version 24.5 の新機能」をご覧ください。

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