本日、EmEditor v22.3.0 を公開いたしました。
クラッシュ レポート機能を改善して以来、多くのユーザー様からクラッシュ レポートを受信し、原因を調べるために長時間を費やしました。幸いにも、多くのクラッシュは解決し、少しでも早く被害を受けたお客様を救済するため、v22.2.0 と v22.3.0 との間でマイナーな更新を頻繁に行いました。クラッシュ報告機能に、さらに多くの情報を追加して、より多くのクラッシュの原因を見つけることが可能になりました。それらのクラッシュ レポートと修正で、最近のバージョンではクラッシュ レポートの受信は少なくなりました。クラッシュ レポートを送信していただいたユーザーの皆様に感謝いたします。最新版では、信頼性と頑強性が向上していますので、すべてのお客様に最新版への更新を推奨します。クラッシュ レポート機能は、EmEditor Professional と EmEditor Free で利用可能です。
巨大ファイルを開いた直後のバックグラウンド CSV 構文チェックが実行中に、検索/置換コマンドを実行すると、場合によっては、クラッシュが発生することがわかりました。そこで、検索/置換コマンドは、バックグラウンド CSV 構文チェックが完了するまで、待つべきだと結論を出しました。新バージョンでは、既定では、検索、置換、その他の操作の前には、CSV 構文チェックを中止するかどうかを確認するメッセージ ボックスを表示するようになりました。この確認メッセージは、[カスタマイズ] ダイアログの [CSVオプション] ページで、[CSV構文チェックがまだ実行中の時、確認メッセージを表示する] オプションを解除することにより、無効にすることができます。確認メッセージが無効の場合、検索/置換を実行しようとすると、バックグラウンド CSV 構文チェックは自動的に中止します。CSV に関連する機能は、EmEditor Professional のみで利用可能です。
EmEditor を開発するにあたり、様々な操作の速度は信頼性と同様に重要です。新バージョンは、[検索] ダイアログ ボックスの中の [抽出] コマンドの動作を、改善されたアルゴリズムを使用して高速化しました。私共のテストでは、[抽出] コマンドは、v22.2.0 と比較して、3.46 倍に高速化しています。これらのコマンドは、EmEditor Professional のみで利用可能です。
あるお客様は、数字の千の位に桁区切り文字が含まれていても、合計を表示する機能を要望されました。例えば、選択テキストが、以下だったとします。
1,001.5 2,001.1
従来のバージョンでは、カンマ (,) は、数字の一部として認識されないため、合計は 1 + 1.5 + 2 + 1.1 = 5.6 となり、ステータス バーには、「5.6」 と表示されていました。
新バージョンでは、[カスタマイズ] ダイアログ ボックスの [並べ替え] ページに新しく追加された [桁区切りを許可する] オプションを設定すると、合計は、1001.5 + 2001.1 = 3002.6 となり、ステータス バーには、「3,002.6」と表示されます。実際の区切り文字は、現在のロケールに依存し、それも同ページで設定できます。例えば、現在のロケールが、「ドイツ語 (ドイツ)」の場合で、選択テキストが以下だったとします。
1.001,5 2.001,1
すると、ステータス バーに 「3,000.6」と表示されます。ステータス バーに表示される数字の形式は、Windows のロケールに依存します。
桁区切り文字は、3桁毎 (千、百万、十億…の位) に現れている必要があります。EmEditor は、現在、2桁や4桁の区切りの形式はサポートしていません。例えば、選択テキストが次の通りだったとします。
1,04 2,0005
カンマは千の位置では無いため、単に異なる4つの数字の区切りとしてみなされます。そのため、EmEditor は、「12」 (= 1 + 4 + 2 + 5) と表示します。
桁区切り文字を含む数字を解析する機能は、[小さい値から大きい値へ並べ替え] コマンドと [大きい値から小さい値へ並べ替え] コマンドにも拡張しました。
さらに、v22.3 では、数値範囲表現も、桁区切り文字を含む数字に一致することができるようになりました。例えば、次の数値範囲表現があったとします。
[ 1000.0 , 2000.0 ]
この表現は、以下の両方の数字に一致します。
1203,3
と
1,203.3
数値範囲表現では、現在のロケールとは独立して、小数点を指定することができます。桁区切り文字が小数点と同一だった場合、小数点の方が桁区切り文字より優先度が高くなり、桁区切り文字は使用されなくなります。例えば、選択ロケールが英語 (米国) で、次の数値表現があったとします。
[ 1000,0 , 2000,0 "," ]
この表現は、以下の数字に一致します。
1203,3
しかし、以下の数字には一致しません。
1,203,3
既定では、EmEditor の以前のバージョンと互換性を保つため、桁区切り文字は無効になっています。上記の桁区切り文字に関するすべての機能を有効にするには、[カスタマイズ] ダイアログ ボックスの [並べ替え] ページで [桁区切りを許可する] オプションを設定する必要があります。このオプションは、EmEditor Professional のみで利用可能です。
他のお客様は、ファイルをバックアップ中、ISO日付/時刻フォーマットでファイル名を変更したり、隠しファイル属性/読み取り専用属性を設定する機能を要望されました。これらのオプションは、設定のプロパティの [バックアップ] ページで利用可能になりました。時刻は常に、協定世界時 (UTC) であり、システムのタイム ゾーンを変更してもファイル名の衝突が起きないようにしています。例えば、
filename.txt
のバックアップは、同フォルダーに同名のファイルが既に存在している場合
filename_2023-04-09T180943.2016212Z.txt
と名前を変更して保存されます。これらのバックアップの新しいオプションは、EmEditor Professional と EmEditor Free で利用可能です。
江村誠は、言語サーバー プロトコル (LSP) をサポートしました。この機能は、このお客様を含む複数のお客様により要望されていました。v22.3 は、LSP の多くの機能の中で、ツールチップの機能だけをサポートしています。これは、関数名やそのほかのシンボル上にマウス ポインターを置くと、ツールチップとして簡単な説明を表示する機能です。将来の EmEditor のバージョンでは、さらに多くの LSP の機能をサポートする予定です。現在のところ、サポートするプログラミング言語は、HTML、CSS、JavaScript、Perl、C/C++、Python ですが、将来は、より多くのプログラミング言語をサポートする予定です。プログラミング言語によっては、追加の言語サーバーのインストールが必要になります。設定のプロパティの [言語サーバー] ページで、[?] ボタンをクリックするか、F1 を押すと、追加インストールについての説明を含むヘルプが表示されます。LSP の機能は、既定では、無効になっているため、新機能を使用するには設定のプロパティの [言語サーバー] ページで、[言語サーバー プロトコルを有効にする (試験的)] オプションを設定する必要があります。LSP は、EmEditor Professional のみで利用可能です。
誠が開発している [コミット リスト] プラグインは、サイドバーのリストで、複数選択を可能にして改善しました。この改善により、複数のファイルを同時にステージしたりアンステージすることができます。
最後に、誠は、WebPreview プラグインを改善して、Markdown ファイルをプレビュー表示できるようにしました。この機能は、複数のお客様 (1, 2) により要望されていました。Markdown ファイルをプレビュー表示するには、EmEditor の既定の設定の 1つである「Markdown」の設定が選択されている必要があります。プラグインは、EmEditor Professional のみで利用可能です。
Pro版、Free版とも お気に入りいただけましたら幸いです。将来、ご質問、機能のリクエスト、アイディアなどがございましたら、ご連絡いただくか、フォーラムにご発言ください。
今後も EmEditor を引き続きご愛顧くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
— 江村豊
主な変更点、画面図など、詳しくは、「Version 22.3 の新機能」をご覧ください。
さらに本リリースは、v22.3 を開発中の不具合/問題の修正を含みます。
デスクトップ インストーラー版をご使用の場合、[ヘルプ] メニューの [更新のチェック] を選択して更新していただけます。この方法で更新できない場合には、最新版をダウンロードして、そのダウンロードしたインストーラーを実行してください。デスクトップ ポータブル版の場合、こちらよりダウンロードして、更新していただけます。ストア アプリ版の場合、数日後、Microsoft ストア (64ビット または 32ビット) よりダウンロードまたは更新していただけます。winget を使用されている場合は、”winget install Emurasoft.EmEditor” とタイプして最新版の EmEditor のインストールが可能です (64ビットか32ビットは自動検出されます)。