EmEditor v24.2.0 を公開 – gpt-4oが既定モデルに、AIの完全無効化、お気に入り機能
本日、EmEditor v24.2.0 を公開しました。
以前のバージョン (v24.1) では、OpenAI API を使用した「AI による執筆支援」機能を提供しましたが、本バージョンではさらに調整が加えられました。本バージョンでは、先日、OpenAI より発表された「gpt-4o」が既定の優先モデルとなり、従来の既定モデルの「gpt-4-turbo-preview」に比べて、執筆支援機能の品質と速度が向上し、OpenAI に対して発生する利用料金が半額になりました。現在選択されている優先モデルは、[カスタマイズ] ダイアログの [AI] ページで確認できます。さらに、日本語の執筆において不要なスペースが提案テキストに含まれないように調整しました。加えて、AI マクロは、EmEditor 本体の設定で保存されている OpenAI キーと優先モデルを取得して使いやすくし、プロンプトの作成に若干の調整を行いました。
また、法人のお客様からの要望にも応えました。セキュリティ上の懸念から AI 機能を完全に無効にしたいという要望がありました。念のために書いておくと、コンピューターがインターネットに接続されていれば、EmEditor で AI 機能を無効にしても、Web ブラウザ等から AI へのアクセスを完全に防止することは不可能です。しかしながら、少しでもテキスト エディターで開いたファイル内容の漏出を防止したいという要望は、管理者として当然の要望であり、私共も理解しています。そこで、新バージョン (v24.2) では、管理者権限で AI を完全に無効にする機能を追加しました。[カスタマイズ] ダイアログの [AI] ページで、[AI を無効にする (コンピューター毎)] ボタンをクリックすると、レジストリの HKEY_LOCAL_MACHINE/Software/EmSoft/EmEditor v3/Common
キーに DisableAIAdmin = 1
(REG_DWORD) を設定します。
この値が存在すると、EmEditor では「AI による執筆支援」機能はもちろん、AI マクロを含む fetch 関数を使用するすべてのマクロの使用が禁止されます。この値は、HKEY_LOCAL_MACHINE
に存在するため、管理者権限がないと削除できません。ストア版アプリでは、レジストリの HKEY_LOCAL_MACHINE
への書き込みアクセスが制限されているため、ストア版 EmEditor を使用されている場合は、レジストリ エディタを使用して上記の値を新規作成する必要があります。
将来のバージョンでは、AI を使用した機能をさらに発展させていく予定ですので、ご期待ください。
本バージョン (v24.2) では、さらにお客様からいただいた要望に応えました。
1. EmEditor 初期のバージョンより、多くのお客様 (1, 2, 3) により、Web ブラウザの「お気に入り」機能のように、よく使うファイルに簡単にアクセスできる機能の追加を望まれていました。そこで、本バージョンでは、[お気に入り] ツール バーと関連するコマンドを追加しました。現在開いているファイルを [お気に入り] ツール バーに追加するには、既定では [ファイル] メニューの [お気に入り] サブメニューにある、[お気に入りに追加] コマンドを選択します。このコマンドは、現在開いているファイル名だけでなく、現在のカーソル位置も保存します。[お気に入り] ツール バーが表示されたら、文書タブまたはエクスプローラのファイルアイコンをドラッグして、[お気に入り] ツール バーでドロップすることによっても可能です。ただし、ドラッグ アンド ドロップの場合には、カーソル位置は保存されません。追加されたボタンをドラッグ アンド ドロップすることによって、ボタンの順番を並べ替えることができます。[お気に入り] ツール バーからボタンを削除したい場合には、削除したいボタン上で右クリックして表示されるメニューから [この一覧から削除] を選択します。本機能は、EmEditor Professional と EmEditor Free の両方でサポートされています。
さらに、EmEditor Professional では、[カスタマイズ] ダイアログ ボックスの [お気に入り] ページで、アイコンの有無やデザイン、表示方法などを選択できます。さらに、お気に入りに登録されているファイルを一覧で表示でき、各ファイルのカーソル位置を編集することも可能です。
ツール バーのドラッグ アンド ドロップに関して追記すると、[お気に入り] ツール バーと同様、[マクロ]、[マーカー]、および [ツール] ツール バーにおいても、ボタンのドラッグ アンド ドロップによって順序を変更できるようになりました。
2. 一部のお客様 (1, 2) からの要望に応え、マクロで特定のキーが押下されているかを検出する方法として、Shell オブジェクトに GetKeyState メソッドを追加しました。
さらに、本バージョンからはセキュリティ上の懸念からコンピューター毎インストールのサポートを終了しました。これにより、インストールや更新時に管理者権限が不要となり、安全性が向上します。本バージョンより、インストーラーはユーザー毎インストール専用となり、デザインも変更されインストール手順が簡略化されました。以前のインストーラー内にあった設定の一部は、インストール後に EmEditor の [カスタマイズ] ダイアログの [ショートカット] ページで変更できます。
しかし、一部の法人ではユーザー フォルダーへのアプリケーションのインストールを禁止しており、特定のフォルダー (例: C:\Program Files\
) へのインストールを要求しています。インストール先フォルダーを変更する必要がある場合は、FAQ: インストール先フォルダーを変更するには をご参照ください。
ポータブル版を使用することによっても、問題を回避することができます。ポータブル版は、既定では、emeditor.exe
と同じフォルダに INI ファイルを作成して設定を保存します。新バージョンでは、emeditor.exe
と同じフォルダに存在する eeUseIni.ini
ファイルを編集することにより、他のフォルダに設定を保存することができるようになりました。例えば、eeUseIni.ini
を以下のように変更して UTF-16LE (BOM付き) で保存すると、C:\Users\(ユーザー名)\EmEditorSettings
というフォルダに設定が保存されます。
[IniDir]
IniDir=%UserProfile%\EmEditorSettings
この方法により、EmEditor をコンピューター全体にインストールするのと同様に、全ユーザーが各自の設定を持ちながらアプリを共有できるようになります。
以前のブログで告知した通り、残念ながら、一部のユーザーが、不正ライセンスを誤って購入・取得されています。不正ライセンスを販売・配布する者が一番悪いのですが、EmEditor は不正な登録キーを入力しても、ある期間は使用できてしまう仕様でした。そこで、本バージョンより、不正ライセンスを入力されると、直ちに問題を表示することになりました。さらに、登録キー入力時には、エムソフト カスタマー センターに関連付けられているメールアドレスの入力も必須とさせていただきました。弊社 Web サイトより直接ライセンスを購入されている場合は、購入時に入力されたメールアドレスを入力することになります。弊社 Web サイト以外で購入された場合には、エムソフト カスタマー センターにて製品登録した後、製品登録時に使用されたメールアドレスを入力してください。登録メール アドレスがわからなくなった場合には、お問い合わせください。
Pro 版、Free 版ともにご満足いただけましたら幸いです。将来、ご質問、機能のリクエスト、アイディアなどがございましたら、ご連絡いただくか、フォーラムにご発言ください。
今後も EmEditor を引き続きご愛顧くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
— 江村豊
主な変更点、画面図など、詳しくは、「Version 24.2 の新機能」をご覧ください。
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