EmEditor v21.4.0 を公開しました (テクニカル レビューを含む)。

本日、EmEditor v21.4.0 を公開いたしました。

以前のバージョンで EmEditor Free が巨大ファイルをサポートしてから、より多くの方に EmEditor Free をご使用いただき嬉しく思います。しかし、EmEditor Free は、右下にバルーン チップとして「アップグレード情報」の通知を表示していたため、あるユーザー様から、このバルーン チップを非表示にできないかというお問い合わせをいただきました。そこで、v21.4 では、任意の通知とバルーン チップを非表示にすることができるようにしました。EmEditor Free のもう1つの新機能は、自動更新です。これによって、EmEditor を1回のクリックで最新版に更新、または終了時に自動的に更新を適用することが可能になりました。これらの新機能のため、[カスタマイズ] ダイアログ ボックスは、[通知] と [更新] ページを含めました (従来は、EmEditor Free には [言語] ページのみ存在していました)。

EmEditor Professional v21.4 のメインの機能は、CSV 文書で使用できるデータ解析用の新しいコマンド — [行/列の入れ替え]、[ピボット テーブル]、[ピボット解除] — です。先月、あるお客様からこれらのコマンドを追加できないかと尋ねられました。最初尋ねられた時、私は、これらのコマンドについては詳しく知りませんでしたが、ビッグ データの解析にこれらのコマンドが非常に強力になると考え、すぐに実装しようと考えました。 [行/列の入れ替え] コマンドは、単に CSV 文書の行と列を入れ替えます。[ピボット テーブル] コマンドは、指定する列からすべての異なった値を見つけ、それぞれの異なった値について、別の指定する列の出現頻度を数えるか、または値の合計を計算します。[ピボット解除] コマンドは [ピボット テーブル] コマンドの逆です。これらのコマンドを開発する際、初心者でもできるだけ使いやすくすることを心掛けました。例えば、[ピボット テーブル] ダイアログ ボックスの各オプションは、視覚的にピボット テーブルの実際の場所のように配置しました。これらのコマンドはマクロに記録することができ、後から繰り返し再利用できます。また、これらのコマンドが絶対的に速く動作するようにしたかったため、コードの高速化のための最適化に努めました。さらに、[列を結合] ダイアログ ボックスに新しいオプションを追加し、[列を結合]、[列を分割]、CSV モードで列が選択されている場合の選択範囲のエンコード/デコード コマンドの高速化にも努めました。したがって、CSV ファイルを扱う場合は、EmEditor Professional v21.4 を使うことによって、ビッグ データの分析がより速くなります。

私共は、[行/列の入れ替え]、[ピボット テーブル]、[ピボット解除] の 3 つのボタンを追加しましたが、[CSV/並べ替え] ツール バーは大きくなりすぎました。そこで、[CSV/並べ替え] ツール バーを [CSV] ツール バーと [並べ替え] ツール バーに分割しました。新しい [並べ替え] ツール バーには CSV 関連のボタンも含まれているのに、なぜ [CSV/並べ替え] と呼ばないのかと疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。私は、単にタイトルを短くしたかった訳ですが、[ツール バー] ダイアログ ボックスでボタンとタイトルを自由にカスタマイズすることが可能です。

以前のメッセージで書いたように、日本語、韓国語、その他の言語のダイアログ ボックスのフォントをリフレッシュしましたが、ベータ版テストの段階で、一部のお客様から以前のフォントの方が良かったとご意見をいただきました。そこで、[カスタマイズ] ダイアログ ボックスの [ウィンドウ] ページで、フォントのサイズだけでなくフェイス名を変更できるようにしました。

あるお客様から、大文字/小文字に変換コマンドは、一部の文字を正しく変換していないと報告を受けました。例えば、トルコ語では、i の大文字は İ (U+0130, LATIN CAPITAL LETTER I WITH DOT ABOVE) になり、I の小文字は ı (U+0131, LATIN SMALL LETTER DOTLESS I) になります。以前のすべてのバージョンの大文字/小文字に変換コマンドでは、ロケール非依存の変換を使っていました。v21.4 では、[カスタマイズ] ダイアログ ボックスの [編集] ページに [大文字小文字変換はロケール依存] オプションを追加して、ロケール依存の変換を行うことが可能になりました。ロケールは、[カスタマイズ] ダイアログ ボックスの [並べ替え] ページでカスタマイズ可能です。ロケール依存の変換にはより多くの時間が必要になり、このオプションは、検索や置換など他の機能には適用されません。

一部のお客様は、例えば、alert メソッドなどで、メッセージ ボックスが表示される時、マクロが正しく終了しないことを報告されています。私はこの問題を再現することができませんでしたが、お客様のコンピューターでマクロが非同期に実行される時に起こっていることは明らかです。そこで、[マクロのカスタマイズ] ダイアログ ボックスの [オプション] ページに、[既定でマクロを非同期に実行する] を追加し、このオプションをクリアすることにより問題の解決ができるようになりました。

最近の Log4j の脆弱性問題についてのお問い合わせを多く受けるようになりましたが、EmEditor は Java コンポーネントを使用しておらず、EmEditor には CVE-2021-44228, CVE-2021-45046 (Log4j) の脆弱性は存在しません。

最後に、Pro版、Free版とも お気に入りいただけましたら幸いです。将来、ご質問、機能のリクエスト、アイディアなどがございましたら、ご連絡いただくか、フォーラムに発言してください。また、[ヘルプ] メニューの [レビューを書く] を選択して、レビューを書いていただくことも歓迎いたします。私は皆様のレビューを定期的に拝読しています。(レビューをご記入いただく前にストア アプリ版をダウンロードする必要があるかもしれません。)

今後も EmEditor を引き続きご愛顧くださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
— 江村豊

主な変更点、画面図など、詳しくは、「Version 21.4 の新機能」をご覧ください。

さらに本リリースは、次の不具合/問題の修正を含みます。

  • [行を結合] コマンドが [空の文字列を削除] オプション付きで正しく動作しないことがある v21.3 以前からの不具合を修正しました。
  • DirectWrite を使用している場合、特定のフォントに関する不具合を修正しました。
  • 更新インストール中、インストールが成功しても「Error: Update installation failed」というメッセージが表示されてしまう問題を修正しました。
  • お客様から報告された不具合を修正しました (1, 2, 3, 4)。

デスクトップ インストーラー版をお使いの場合、[ヘルプ] メニューの [更新のチェック] を選択して更新していただけます。この方法で更新できない場合には、最新版をダウンロードして、そのダウンロードしたインストーラーを実行してください。デスクトップ ポータブル版の場合、こちらよりダウンロードして、更新していただけます。ストア アプリ版の場合、数日後、Microsoft ストア (64ビット または 32ビット) よりダウンロードまたは更新していただけます。winget を使用されている場合は、”winget install emeditor” とタイプして最新版の EmEditor のインストールが可能です (64ビットか32ビットは自動検出されます)。