EmEditor Professional v23.1 以降、OpenAI を用いた多くの生成 AI 関連機能を追加してまいりました。多くのユーザーの皆様にご好評をいただいている一方、一部の企業のお客様からは、セキュリティ上の懸念を表明されていました。念のために書いておくと、コンピューターがインターネットに接続されていれば、EmEditor で AI 機能を無効にしても、Web ブラウザ等から AI へのアクセスを完全に防止することは不可能です。しかしながら、少しでもテキスト エディターで開いたファイル内容の漏出を防止したいという要望は、管理者として当然の要望であり、私共も理解しています。v24.2 では、管理者権限で AI を完全に無効にする機能を追加しましたが、設定の変更だけでは、一部の管理者の不安を払拭することができませんでした。したがって本バージョンでは、EmEditor 本体から AI 関連の機能を完全に削除いたしました。そして、AI 関連の機能は、別途ダウンロードが必要な ChatAI プラグインとして公開することにいたしました。ChatAI プラグインがインストールされていない場合は、EmEditor の AI 関連の機能は完全に無効になり、AI 関連のコマンドやオプションはすべて表示されなくなります。なお、プラグインが無料で提供されるため公開されていれば、ユーザーが簡単にダウンロードしてインストールしてしまうと不安をもたれる管理者がいらっしゃるかもしれません。その場合は、他にも様々な開発者による無料の AI 関連のツールがインターネット上に公開されていることを理解してほしいと思います。
EmEditor Professional から AI 関連の機能をすべて削除しました。従来の AI 機能を使用するには、別途 ChatAI プラグインをダウンロードしてインストールする必要があります。
逆に、ChatAI プラグインをダウンロードしてインストールすると、AI 関連のコマンドは、新設された AI メニューに集約され、素早くアクセスできるようになります。
ChatAI プラグインをインストールすると、AI 関連のコマンドは、すべて新しくできた AI メニューにまとめて表示されるようになりました。
なお、ChatAI プラグインは、64-bit 版のみの提供とさせていただきます。また、ストア版 EmEditor は、UWP (ユニバーサル Windows プラットフォーム) アプリで、アプリ コンテナ内で実行されるため、外部のプラグインを使用することができません。したがって、残念ながら、32-bit 版またはストア版 EmEditor では AI 機能は利用できません。
本バージョンでの AI 関連の改善点として、1つめは、画像作成時に、通常の解像度か HD かを選択できるようになりました。このオプションは、[プロンプトの新規作成] ダイアログ、および [カスタマイズ] ダイアログの [AIプロンプト] ページで、[出力] に [画像] が選択されている場合に表示される [HD] というチェック ボックスです。
Markdown 表記がより一般的になるにつれて、従来から使われている HTML 表記との相互変換の需要が多くなったと感じています。本バージョンでは、Markdown から HTML へ、および HTML から Markdown へ変換するコマンドを追加しました。さらに、Markdown または HTML からプレーン テキストへ変換するコマンドも追加しました。なお、HTML から Markdown への変換には、Tim Gromeyer 氏の html2md を使用しています。Markdown から HTML またはプレーン テキストへの変換には、従前から Martin Mitáš 氏による MD4C (Markdown parser for C) を使用しています。
一方、v24.1 からの新機能である OpenAI API を使用した AI 執筆支援機能には、さらにオプションを追加して強化しました。従来は、テキストをタイプ中に自動的に提案テキストを灰色で表示していましたが、新バージョンでは、Ctrl+Space を押したときのみ提案テキストを表示できるようになり、OpenAI API を呼び出す回数を減らすことができるようになりました。従来のように自動的に提案を表示する場合は、AI の提案の信頼度があるしきい値を超えた場合にのみ提案を表示しますが、そのしきい値を調整することができるようになりました。例えば、信頼度を 40% と指定している場合、AI は 40% 以上の予測確率で次のテキストを予測できる場合のみ、提案を表示します。このため、確実でない予測での提案を減らしたい場合には、80% などと高い信頼度にすれば、より確実に予測できる場合のみ提案が表示され、OpenAI API を呼び出す回数を減らすことができます。また、予測に使用する入力テキストと候補提案用の出力テキストの長さを調整するオプションも追加しました。予測に使用する入力テキストは、長いほど予測の命中度を高めることができますが、OpenAI API の使用料は高くなります。出力テキストの長さは長いほど、より多くの単語が提案されることになります。