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公開の場で意見を表明するため、すみませんがこちらに書かせていただきます。

企業内個人、という言葉があります。企業に勤める個人が、会社から支給される各種備品だけではなく、自分のお金で自分の効率アップのために各種ガジェットを購入して使う。そういった購買層を指す言葉です。
(本当はより広い意味がありますが、ここでは割愛させていただきます。)

Microsoft Officeや開発環境とは異なり、エディタというソフトは必ずしも業務に必須ではありません。Officeや開発環境は半自動的に配備されるような職場でも、EmEditorは自分のために自腹で購入している、という「企業内個人」も多いかと思われます。

多くのシェアウェアでは、こういった「個人使用」であれば、複数のパソコンに導入できるのが一般的です。「1つのPCで多人数」か「1人で多PC」かを選べるという方式もよく見かけます。
MSやAdobeのソフトに至っても、1個人が占有するPCならば、ソフトによってはある程度の制限台数まで許可されています。

複数のコンピュータに同時にインストールする場合は、コンピュータの台数分のライセンスを取得する必要があります。ただし、個人での使用の場合、購入者本人の使用に限り、1 ライセンスで最大 5 台までのコンピュータにインストールすることができます。ネットワーク上の使用で、他のコンピュータ端末から別のコンピュータにインストールされた EmEditor を起動することがある場合は、そのEmEditorを利用するコンピュータ端末分のライセンス数を取得する必要があります。

この文章を読んで、MSやAdobeのソフトを含む多くのソフトにおける常識と照らし合わせて、会社の、自分が占有する複数台のPCに入れて、個人で使っていた人も多いかと思います。そういった人たちとって、今回の表明は青天の霹靂と言えるでしょう。

つまり、「個人」という言葉だけでは、「業務」やまして「会社」での使用が「個人での使用」に含まれない、という意味に取ることは通常できません。仕事がら、多くのソフトのライセンスを見てきましたが、一般的にはこういった場合には「非営利」なり「非商用」なりといった文言を入れなければ、江村さんが仰る意味としては有効性がないと思われます。

今後、「個人による会社や業務での利用」に台数分のライセンスを必要とするならば、それは「明確に書き直す」といった表層的な変更ではなく、「ライセンスの改訂」とはっきり言わなければ不誠実であると捉えられるでしょう。また個人的な意見を言わせていただければ、WebアプリやASP的なサービスが興隆し、ネットに繋がっていればどのパソコンでも同じような環境で仕事ができる時代に、パソコンとソフトを1対1の不可分なものとして考えるライセンス体系は、少々前時代的な制限とも感じてしまいます。

一方で、「アップグレードの無料提供を維持しながら EmEditorの開発を継続していくため、(中略)必要数のライセンスのご購入にご協力ください。」というご発言もありますが、多くのソフトは、メジャーバージョンアップを有料にしています。ユーザーとしても、愛用しているソフトが大幅に機能強化されたのなら、当然の対価としてバージョンアップ料金を支払うのは合理的であり、心理的抵抗も少ないと思います。

私としては、「非営利・営利利用に関わらず、1人が占有するパソコンへのインストールは台数無制限(または十分な数の台数制限。個人的には5台では少ないですが)」その代わり「メジャーバージョンアップを有料」にすることを提案します。これは突飛な考えではなく、多くのソフトが採用している一般的な方式にしてはいかがでしょうか、ということに過ぎません。

しかし、以前「当面バージョンアップは無料」とご発言されてしまったこともあり、なかなか踏み切りにくい面もあることでしょう。そこで、トップページなどで「バージョンアップ無料・1ライセンス1台」と「バージョンアップ有料・1ライセンス複数台」のどちらがよいか、投票を受け付けてみてはいかがでしょうか。ユーザー投票の後押しがあれば、以前の表明を翻すにしても、それなりの支持を得られるのではないかと思います。