EmEditor v25.4.0 を公開 — 高速化、安定化、スニペット、AIとチャット
本日、EmEditor v25.4.0 を公開しました。
本バージョンでは、何よりも最適化による高速化に注力しました。EmEditor の AI とチャット機能を活用してコードの各所を最適化し、多くの操作で動作速度が向上しています。とくに AVX-512 対応 CPU では効果が顕著です。今回の開発では、まるで隣に優秀なプログラマーがもう一人いるかのように感じるほど、AI が大きな助けになったと実感しました。
もちろん、AI に頼らない従来の手法による最適化も行いました。検索/置換や「ファイルから検索/置換」のアルゴリズムを見直し、UTF-8 のファイルは可能な限り UTF-16 に変換せず処理することで大幅に高速化しています。従来、UTF-8 のファイルで「ファイルから置換」を行う際は、一度 UTF-16 に変換してから置換し、再び UTF-8 に戻して保存していましたが、本バージョンでは UTF-8 のまま置換できるため、変換コストが不要になりました。
「ファイルから検索」の [出力オプション] には、[ファイル名、行、一致した行を表示 (長い行を切り詰め)] を追加し、既定にしました。これにより、バイナリなど非常に長い行を含むファイルが検索対象に含まれていても、行全体を出力せず切り詰めて表示するため、安定して高速に動作します。以上のさまざまな最適化を組み合わせたことにより、検索、置換、ファイルから検索、ファイルから置換を含む動作が、弊社のテストで、約2倍から6.5倍にまで高速化しました。
安定性の向上にも取り組みました。「ファイルから検索」はマルチスレッドで動作しますが、多数の巨大ファイルを同時に検索する場合、メモリを大量に消費してクラッシュの恐れがありました。本バージョンでは、巨大ファイルを開くスレッド数を制御してメモリ使用量を抑制しました。さらに、メモリ割り当てに失敗した場合は、より少ないメモリで動作するシングルスレッドに自動的に切り替えて再試行するようにし、クラッシュの可能性を低減しました。
v25.3 で HTMLBar プラグインを廃止した際、特定のタグを挿入するボタンなどの機能を惜しむ声をいただきました。そこで本バージョンでは、EmEditor 本体でスニペットを定義できるようにし、定義したスニペットをメニュー、ツール バー、キーボード ショートカットから呼び出せるようにしました。実行は従来どおりスニペット プラグインが担います。
新しいスニペット ツール バーは、[表示] メニューの [ツール バー] – [スニペット] で表示できます。任意のテキストをスニペット ツール バーへドラッグするだけで新しいスニペットを作成できます。あるいは、[カスタマイズ] ダイアログの [スニペット] ページから定義することもできます。スニペットの構文や詳細は、ヘルプの [スニペット] プラグインの使い方をご覧いただくか、AI に「EmEditor スニペット構文」と質問してみてください。
Makoto Emura による [AIとチャット] 機能も改良しました。まず [Web 検索] オプションを追加し、GPT-5 など一部のモデルでインターネット検索を利用可能にしました。たとえば旅行の行程作成では、列車の時刻表といった最新情報を踏まえた提案ができます。次に、[テキスト冗長] オプションを追加し、レスポンスの長さを調整できるようにしました。さらに、OPENAI_API_KEY などの環境変数を使用するオプションを追加し、バックエンドの最適化によってパフォーマンスも向上しています。なお、AI とチャットを含む AI 機能をご利用いただくには、EmEditor 本体とは別途、ChatAI プラグインのインストールが必要です。
また、プレビュー版の開発過程で見つかった不具合も修正しました。
Pro 版、Free 版ともにご満足いただければ幸いです。ご質問、機能のリクエスト、アイデアなどがございましたら、ご連絡いただくか、フォーラムにご投稿ください。
今後とも EmEditor をご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
— 江村豊
主な変更点や画面図など、詳しくは「Version 25.4 の新機能」をご覧ください。
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